部分矯正(プチ矯正)とは
そもそも通常の矯正治療(全体矯正)とは?
通常、矯正治療は全ての歯に対して行います。歯並びには「見た目」だけでなく「咬み合わせ」も大切です。そのため、咬み合わせを考えずに一部の歯だけを動かしてしまうと、大切なかみ合わせが悪くなってしまうため、全ての歯に対して矯正装置を装着し、咬み合わせ全体をみながら、美しい歯並びを獲得できるよう、矯正治療を行います。これらのことから、「全ての歯に対して」矯正治療を行うことがまず大前提なのです。
部分矯正(プチ矯正)とは違い、歯列全体に対して行う矯正治療、全体矯正。
全体矯正では、歯列全体の歯並びと上下のかみ合わせを考えた治療を行います
矯正治療の種類は?
矯正治療の種類は、大きく、「ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)」、「マウスピース矯正」にわけられます。子供の矯正も含めると、咬合誘導装置(ムーシールド・パナシールドなど)や、床矯正装置、急速拡大装置などもあります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、ブラケット矯正などとも呼ばれ、ブラケットを歯の1本1本に装着し、そのブラケットに対して、全ての歯をつなぐようにワイヤーを通し、弱い力をかけて歯を移動するものです。ワイヤー矯正には、はの表側に矯正装置を装着する「表側矯正(ラビアル矯正)」、歯の裏側に矯正装置を装着する「裏側矯正(リンガル矯正)」があります。また、上下の歯で、表側矯正と裏側矯正を使い分ける方法もあります。ワイヤー矯正は、最もポピュラーな治療方法で、歯をしっかり、精密に、立体的に移動させることが可能であることから、特に矯正専門に行っている矯正医からみて最も信頼ある治療法といえます。
表側に矯正装置を装着する「表側矯正」
裏側に矯正装置を装着する「裏側矯正」
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、今の歯並びから、歯並びの完成までの分の、少しづつ形の違ったマウスピース型の矯正装置(アライナー)を、1日20時間前後装着し、一定期間を開けて、次々に付け替えながら歯を動かしていく方法です。自分自身で取り外しが可能であることや目立ちにくいことから、近年増加傾向にある治療法といえます。
マウスピース矯正で使用する矯正装置「アライナー」
アライナーをご自身で着脱して治療を進めていきます
部分矯正(プチ矯正)とは
しかし、例えば前歯の一部だけなどで、咬み合わせに大きな影響があない場合など、症例によっては部分的な矯正治療が可能です。
この判断は、経験豊富な矯正専門に行っている矯正医に行ってもらうとよいでしょう。
部分矯正(プチ矯正)は「MTM(マイナー・トゥース・ムーブメント)」ともいわれており、数本の歯のみに限局して矯正治療を行います。そのため、前歯で顔の印象が大きく違ってしまうことも少なくないこと、それを気にされて前歯だけをキレイに並べたいといった方に人気のある矯正治療です。この部分矯正は、ワイヤーで行う方法と、マウスピースで行う方法、両方ありますが、マウスピースの場合は、歯を動かすのは部分的でも、結局全体に矯正装置がかぶさるので、 ワイヤーで行うケースが多いです。
あくまで部分的にワイヤーとブラケットからなる矯正装置を装着して行う部分矯正(プチ矯正)。歯の表側に装着することも歯の裏側に装着することも可能です。
全ての歯を覆うマウスピース型矯正装置で部分的に歯を動かす部分矯正。マウスピース矯正の場合は結局歯の全体に対するマウスピースを使用します。
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