部分矯正の特徴

ここでは『部分矯正(プチ矯正)』の特徴についてご説明いたします。『部分矯正(プチ矯正)』の「メリット」、『部分矯正(プチ矯正)』の「デメリット」について。

『部分矯正(プチ矯正)』の「メリット」

気になる部分だけを改善可能

例えば歯が1本だけねじれがあるなどといった場合に、全体矯正をすることには抵抗があるといったケースも少なくありません。そのようなケースでは『部分矯正(プチ矯正)』は適しているといえます。

部分矯正(プチ矯正)では基本的に前歯のみに行います。そのため奥歯も動かさなければならない症例では部分矯正(プチ矯正)はできないことがあります。また、骨格がかかわる不正歯列も部分矯正(プチ矯正)では治療できません。

奥歯を動かさなくても前歯を並べられるケースでは、部分矯正(プチ矯正)で矯正治療が可能です。このように歯の動きをみた精密な予測・判断がひつようなため矯正専門の矯正医に相談しましょう。

全体矯正よりも「治療期間が短い」

『部分矯正(プチ矯正)』では、改善したい部分に限局して治療するため、歯列全体に対して行う矯正治療と比べて、治療期間が短くて済むケースがほとんどです。ただ、全体矯正と違い、様々な症例にに適応となる治療ではありません。部分矯正が十分適応であると診断できる条件であれば、6ヶ月~8ヶ月程度の治療期間を目指すことが可能です。

全体矯正よりも「治療費用が安い」

『部分矯正(プチ矯正)』では、矯正装置を装着するのは、部分的なため、歯列全体に矯正装置を装着する全体矯正よりも治療費用が安く済みます。
ただ、単純に安いからといったことではなく、部分矯正では、全体矯正と同じゴールにはならないことが多いため、本当に部分矯正が適しているかどうかを、よく矯正医と話し合った上で、ご自身に合った治療方法を選ぶことが大切です。

全体矯正よりも「目立ち度が低い」

『部分矯正(プチ矯正)』では、矯正装置の装着は、あくまで部分的なため、全体な矯正と比べ目立ちにくい特徴があります。

全体矯正よりも「違和感などに慣れやすい」

『部分矯正(プチ矯正)』は、矯正装置の装着があくまで「部分的」であるため、全体矯正と比べて、違和感や独特の痛みを感じる場合も部分的であるため、慣れやすいといえます。

『部分矯正(プチ矯正)』の「デメリット」

適応症が少ない

著しい不正を抱えており、部分矯正(プチ矯正)を行うことで全体的な歯並びを悪化させてしまう恐れのある場合には、部分矯正(プチ矯正)が適応でないことがあります。

全体矯正よりも仕上がりは劣ることがある

『部分矯正(プチ矯正)』では、限られた範囲のみに装置をつけるため、全体的に咬み合わせを整えることができる矯正と異なり、仕上がりに限界があります。思い描いているお口元や咬み合わせに到達できるのか、きちんと説明を受けて、納得した上で選択しましょう。

歯と歯の間をヤスこと(ストリッピング)が必要な場合がある

『部分矯正(プチ矯正)』では、例えば前歯のデコボコを改善する場合、歯を並べるためのスペースを確保するために、歯と歯の隣接面を、ほんの少しだけヤスリのようなものですき間を作る場合があります。このことをストリッピングといいます。ストリッピングは、IPR(Inter Proximal Reduction)とよび、「歯冠隣接面切削」を意味します。歯と歯が接している部分のことを隣接面といいますが、その隣接面を片面づつ、0.2mm~0.3mm程度ヤスリのようなもので、少しづつ、すき間を確保する処置です。エナメル質を削る量は非常に少ないため、特にむし歯になりやすくなったりといったことはほぼありません。

隣接面を片面づつ、0.2mm~0.3mm程度ヤスリのようなもので、少しづつ、すき間を確保する

ストリッピング = IPR(Inter Proximal Reduction)=「歯冠隣接面切削」を行っている様子